読書感想文:証券アナリストのための企業分析

(前回その2に続くと書いて続いてない。いつか書きます。)

「証券アナリストのための企業分析(第4版)」を読み終えた。
細かい数字の確認は結構とばした。

読んだ経緯

証券アナリストの資格試験の参考書みたいな位置づけだった気がする。証券アナリストに受かると会社からお金が貰える(っていっても受験にかかるお金との純額は芳しくない)のが理由という訳ではないのだが、多少は箔が付くと思って講座を申し込んだ(が結局大して勉強しなかった)。教科書を処分するにあたってせめて何冊か読まないと悲しいと思って読んだ一冊。

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概要

証券アナリストはどういう役割を果たす人かとか、具体例を通した3つの会計基準(IFRS、米国基準、日本基準)の比較とか、ROA・ROE・EPS・回転率・負債レバレッジとかの定義とその具体的な分析とか、基本的な株価モデルの紹介とか、なんだかそんな感じの事が書いてあった。入門編という感じ。

新たに得た知識

・IRはInvestor Relationの略
経営企画部との話でIRという言葉が良く出てきていて、意味もなんとなく理解していたが何の略語が初めて知った。決算業務に携わってるのに多分知らないのがおかしいレベル。業績予想・中期経営計画と実績に差が出たときのIR担当は本当に大変そうである。

・Selective情報開示とDifferential情報開示の違い
Selective情報開示は特定の人にだけ便宜を図って情報を教えること。インサイダー取引として厳しく規制される。Differential情報開示は、「同じ事を質問されれば、同じ事を答える。質問しなかった人にはわざわざ教えない」で、鋭い質問が出来る人だけ情報が手に入るしくみ。こっちは認められてるらしい。

・証券アナリストは何をしてるのか
株式・債券を発行している発行体(企業等)の過去分析や将来の利益予想をして、投資すべきかどうかの判断をレポートとして提供する人。投資家は投資行動を決める際にアナリストのレポートを参考にする。

気になった点

・「資金提供者が求めるリターンを、期待収益率と呼ぶ」
それはハードルレートでは・・?期待収益率の期待は確率論の期待値(平均値)から来ているので別にお金を出してる人がどう思ってるかは関係ないと思う。

・「バランスシート(BS)という呼称からもわかるように、勘定式の貸借対照表では借方と貸方の数値が一致」
バランスシートのバランスは、「釣り合いがとれている」ではなく「残高」の意味だと思う。残高試算表(Trial Balance)の寄せ集め。

・「運転資本回転率は、仕入れから在庫、そして販売までの期間がどれだけあるのかを把握する指標」
運転資本回転率=売上高/(売上債権+棚卸資産-買入債務)で逆数が運転資本回転日数(対年間)。運転資本の定義も良く理解出来なかったので、ちょっと真面目に考えてみたが、どうも正確には(商品が同一の生産過程に時間一様に分布しているとの仮定の下で)「買入債務の支払日~売上債権の回収日」を表しているとの結論を出した。厳密に言えば売上債権・売上高は売価ベース、棚卸資産・買入債務は買価ベースなのでその調整が必要だが。

・ROA・ROEの定義は述べるが説明が少ない
ROEが負債利息控除後の利益を分子にしている一方で、ROAの分子が負債利息控除前なのは(考えればなんとなくわかるが)説明が欲しい。ROAが税前でROEが税後なのも多分税金が負債比率に依存するからだと思うが、説明が欲しい。

あとROEを分解する有名なデュポンの式(ROE=収益率×回転率×負債レバレッジ)が乗っているが、中間項目は何を挟んでも良いはずなので、なぜあえてこの3つに分解するのかの説明がない。一応調べた限りでは3つの構成要素が各事業プロセスに対応しているから、という事らしい。

総評

財務諸表分析で使われる用語の入門としては及第点。上記のような点が気になり内容は浅いと感じた。気になった点を調べながら読めばそれなり。

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